「5W1H」はエンゼルケアでも用いられる

エンゼルケアの5W1H

エンゼルケアの5W1H

あらゆる場面で用いられる「5W1H」ですが、エンゼルケアの現場でも重要な考え方として用いられています。技術面だけでなくエンゼルケアの基本的な考え方とつながる部分もあるため、事前に学んでおきましょう。


When

When

Whenは「何時」という意味ですが、エンゼルケアにおいては着手時期を指します。ご遺体への処置は一度で終わるものでなく、死亡時期に応じて処置を行います。死亡直後、死後3時間、死亡翌日など、その時々に応じた対応をします。例えば、口腔ケアは死後硬直が始まる前に済ませなければならないため、死後約2時間以内に行います。また、死後変化が表れてから行う処置もあります。

Where

Where

Whereは「何処」という意味です。「死亡した場所」と置き換えられますが、集団大規模死亡が発生した際の遺体収容所やご遺体開示所がこれに該当します。

Who

Who

Whoは「誰」という意味なので基本的に故人を指しますが、それ以外にもエンゼルケアの担当者や組織を指す場合もあります。医療機関では看護師がご遺体にエンゼルケアを施しますが、死亡場所によっては介護士が行う場合もあります。つまり、死亡前に故人に対して看護や介護をしていた人が、死を迎えた際に行う処置という意味を持ちます。この考え方でいくと、死亡後ある程度の時間を置いてからご遺体に遭遇する葬儀社関係者が行うケアは、本来の意味でのエンゼルケアには該当しません。

What

What

Whatは「何」という意味ですが、エンゼルケアの現場においては「内容」と捉えるべきです。生前からケアを行っていた人が死亡した場合や、集団大規模死亡時のご遺体が対象となります。

Why

Why

Whyは「何故」という意味です。エンゼルケアにおいては、具体的な目的や必要性に該当し、その内容を明確にする必要があります。厚生労働省研究班の報告にもありますが、ご家族への心理的効果も含めて考えなければなりません。ご家族がエンゼルケアに参加する機会も多いため、ご遺体に対してだけでなく遺されたご家族や処置を行う看護師に対するWhyも重要なのです。

How

How

Howは「どのように」という意味です。エンゼルケアにおいては「手段や方法」という意味を持ちます。ご遺体の状態を悪化させないために行う医療行為と、ご遺体を綺麗に見せる処置は異なります。そのため、それぞれの目的に沿った適切な対応が求められます。特に、医療行為を含むエンゼルケアは死亡時の症状に適合した処置が必要です。医療の専門知識を持った医師や看護師が対応することで、ご遺体の悪化を可能な限り防ぎます。

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